「SNSやれば変わるかも」——逃げ場を見つけた第11話。
少しだけ、楽になった気がした。
でも——何も変わらなかった。
第十一話「とりあえずSNSやるしかないよね?」って思った放課後——逃げた先でも何も変わらなかった話
放課後。
部室の空気は、昨日より少し軽い。
紬は、画面の前に座っていた。
ブログの編集画面。
でも——。
手は、動いていない。
(……書けない)
昨日、少しだけ進めた。
でも、それだけ。
また、止まっている。
そのとき。
ドアが開く。
澪が入ってくる。
澪
あ、ちょうどいいとこにいた!
いつも通りのテンション。
そのまま、紬の横に来る。
澪
ねぇ、SNSやってみたら?
紬の手が、止まる。
視線だけ、少し動く。
紬
……SNS?
聞き返す。
澪はうなずく。
澪
そうそう!Twitterとか!
軽い口調。
でも、その言葉に。
ほんの少しだけ、引っかかる。
(……SNS)
ブログじゃない場所。
別のやり方。
(……もしかしたら)
少しだけ、軽くなる。
逃げ道みたいに。
そのまま。
スマホを手に取る。
アプリを開く。
アカウント作成。
名前を入力する。
投稿画面。
少しだけ、迷う。
でも。
打ち込む。
「ブログ始めました」
「初心者です」
投稿。
……。
画面を見る。
何も起きない。
時間だけが、過ぎる。
更新。
——0いいね。
もう一度。
更新。
——0。
(……あれ)
少しだけ、違和感。
でも、まだ大丈夫。
もう一回投稿する。
「記事書きました」
リンクを貼る。
投稿。
……。
待つ。
でも。
何も起きない。
通知は、来ない。
(……なんで)
指が、少し速くなる。
投稿。
投稿。
投稿。
でも。
変わらない。
0。
0。
0。
(……また)
胸の奥が、重くなる。
少し前と、同じ感覚。
逃げたはずなのに。
変わっていない。
そのとき。
後ろから、声。
琥珀
場所変えただけだろ
一瞬で、止まる。
紬の指が、止まる。
言葉の意味が、遅れて入ってくる。
(……場所…?)
画面を見る。
0いいね。
通知なし。
ブログのときと、同じ。
やってることも、同じ。
ただ。
場所が違うだけ。
(……変わってない)
ゆっくり、理解する。
逃げたつもりだった。
でも。
何も変わっていない。
紬は、スマホを見つめる。
そのまま、動かない。
——どこに行っても、同じだった。
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第十話「3ヶ月やって0円って…意味あるの?」続ける理由が消えた夜


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