「半年で稼げなきゃ終わり」って言われた日——お金ゼロからのブログ 第三話「書こうとしても何も出てこない…」初投稿で9割が止まる理由

和酒5人衆ストーリー
「書いてみよう」と決めたのに、指が止まった。
何を書けばいいのか、どう始めればいいのか分からない。
“初投稿”という見えない壁にぶつかる。
第三話 「書こうとしても何も出てこない…」初投稿で9割が止まる理由
「……よし」
夜。
昼間とは違う、静かな空気。
ノートパソコンの光だけが、やけに強い。
澪は、画面の前に座っていた。
真っ白なページ。
タイトル欄も、本文も——空白。
カーソルだけが、点滅している。
さっきまであった“やる気”は、どこかに消えていた。
……何書くんだっけ
ぽつりと漏れる。
分かっているはずだった。
ブログは「困ってる人に答える場所」。
じゃあ——何に困ってる人?
答えが、出てこない。
隣で、紬がのぞき込む。
書かないの?
シンプルな一言。
でも、胸に刺さる。
書くよ!…書くけど
言いながら、指は動かない。
“書く”って、こんなに難しかったっけ。
頭の中は、ぐちゃぐちゃだった。
正解を書かなきゃ。
ちゃんとした記事にしなきゃ。
失敗したくない。
——その全部が、指を止めていた。
沈黙。
カチ、カチ、と時計の音だけが響く。
紬は少し考えて、ぽつりとつぶやいた。
さっきのやつ書けばいいんじゃない?
澪が顔を上げる。
「さっきのやつ?」
紬はうなずく。
ブログって何?ってやつ
その瞬間、少しだけ時間が止まった。
——あ。
頭の中で、何かがつながる。
さっき、自分たちが話していたこと。
まさに、“困ってたこと”。
それを、そのまま書けばいい?
そんな簡単な話?
でも——
それなら、書ける気がした。
……それ、ありかも
指が、少しだけ動く。
キーボードに触れる感触。
でも、まだ止まる。
“どう書く?”
また壁が来る。
文章の形。
構成。
全部、分からない。
さっきより進んだはずなのに、また止まる。
その繰り返し。
紬は、じっと見ていた。
そして、少しだけ首をかしげる。
そのまま書けば?
澪が固まる。
「そのまま?」
紬は、あっさりと言う。
紬が分かるように書けばいいんでしょ?
その言葉で、静かに何かがほどけた。
難しく考えすぎていた。
“正しい記事”を書こうとしていた。
でも——違う。
“分からない人に伝える”だった。
紬に伝わるなら、それでいい。
それが、最初の一歩。
……やってみよう!
その一言で、空気が変わる。
指が、今度は止まらなかった。
完璧じゃない。
むしろ、ぐちゃぐちゃだ。
でも——書けている。
それだけで、十分だった。
画面の白が、少しずつ埋まっていく。
ゼロだった場所に、言葉が乗る。
それは、小さいけど確かな前進だった。
紬はその様子を見て、少しだけ笑った。
理解したわけじゃない。
でも——動き始めた。
それが、分かった。
澪は画面を見つめる。
まだ完成じゃない。
でも、もう止まってはいない。
“初投稿”という壁は、少しだけ崩れた。
——その先に、何があるかも知らずに。
▶ シリーズまとめ: 「半年で稼げなきゃ終わり」って言われた日——お金ゼロからのブログ|1ヶ月まとめ

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