お菓子代ゼロの紬が、条件付きで「部費×ConoHa WordPress」に挑むことに。
期限は半年——成果が出なければ、すべて終わる。
はじめての一歩が、思いもしない未来へつながっていく……。
第一話「え、お金ないの?——はじまりは“半年ルール”」
「え、それ…本気で言ってる?」
放課後の教室。夕日が、机の上の小さな袋を照らしていた。
中には、わずかな小銭。
紬
……ないの
指先で袋を揺らすと、軽い音がした。
その軽さが、やけに現実的だった。
澪
それだけ!?
思わず身を乗り出す澪。
紬は少しだけ目を伏せた。
紬
はにゃ…お菓子、買えない
ぽつりと落ちた言葉。
それだけなのに、胸の奥が少しだけ締まる。
澪
それは大問題だね!
迷いのない声だった。
その真っ直ぐさに、紬の心が少しだけ軽くなる。
……でも。
紬
お金、ないし…
現実は変わらない。
机の上の小銭は、やっぱり少ないままだ。
澪
じゃあ、増やそう!
即答だった。
紬の思考が一瞬止まる。
紬
……どうやって?
自然な疑問だった。
そのとき——
教室のドアが静かに開いた。
足音が、ゆっくりと近づく。
落ち着いた声が、ふたりの会話に重なった。
「その話、少し面白そうだな」
担任だった。
いつもの穏やかな表情のまま、こちらを見ている。
「お金がない。でも増やしたい…か」
静かに言葉をなぞる。
紬は少しだけ緊張して、背筋を伸ばした。
「本当はな、こういうことこそ学校で教えるべきなんだ」
ぽつりと漏れた本音。
「勉強だけじゃなくて、“どうやって稼ぐか”もな」
教室の空気が、少しだけ変わる。
澪が、少しだけ身を乗り出した。
澪
じゃあ、やっていいってことですか?
担任は少しだけ考えるように目を細めた。
そして——
「条件付きならな」
空気が張りつめる。
紬の指先が、わずかに震えた。
「半年だ」
短い一言。
でも、その意味は重い。
「半年で結果を出せ」
逃げ道のない条件だった。
心臓の音が、少し大きくなる。
「環境は用意する」
その言葉に、紬の目が少しだけ開く。
「ちゃんとした形でな」
つまり——
お金の問題は、越えられる。
でも。
「結果が出なければ、その時点で終わりだ」
静かな宣告だった。
教室が、しんと静まる。
紬の胸が、強く鳴った。
できるかどうかは、わからない。
でも——
やらなきゃ、何も変わらない。
隣で、澪が笑う。
迷いのない顔で。
澪
やってみよう!
その一言が、背中を押す。
紬は小さく息を吸った。
そして——
ゆっくり、うなずいた。
夕日が沈む。
長い影が、床に伸びる。
まだ何も始まっていない。
でも。
確かに、動き出した。
——半年後、どうなるかも知らずに。
「……ブログって、どうやるの?」
▶ 次回:
第二話「ブログって何もわかんないんだけど…」
▶ シリーズまとめ:
「半年で稼げなきゃ終わり」って言われた日——お金ゼロからのブログ|1ヶ月まとめ


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