「半年で稼げなきゃ終わり」って言われた日——お金ゼロからのブログ 第九話「収益0円って普通なの…?」って不安になった放課後——3ヶ月やっても結果が出ない現実

和酒5人衆ストーリー
「収益0円って普通なの…?」——数字に押し潰される第9話。
続けてきた。でも、何も変わらない。
“頑張り”じゃなく、“現実”が突きつけられる。
第九話「収益0円って普通なの…?」って限界を感じた放課後——3ヶ月続けても何も変わらなかった現実
「……0円」
放課後の部室。
誰もいない時間。
紬は、一人で画面を見ていた。
表示されているのは、収益の数字。
——0円。
何回見ても、同じ。
変わらない。
指が、止まる。
何も、できない。
(……3ヶ月)
頭の中で、時間だけが浮かぶ。
放課後に、ここに来て。
書いて。
直して。
増やして。
——それなのに。
何も、変わっていない。
「収益0円って…普通なの…?」
声に出してみる。
でも、返ってこない。
静かな部室。
自分の声だけが、少し遅れて消える。
(みんな…どうなんだろ…)
スマホを手に取る。
SNSを開く。
流れてくる投稿。
「ブログで初収益!」
「3ヶ月で1万円いきました」
「初心者でも稼げる!」
——その言葉が、刺さる。
スクロールする指が、止まる。
(……同じ3ヶ月なのに)
胸の奥が、じわっと重くなる。
(何が違うの…)
答えは、出ない。
ただ。
“自分だけ止まってる”感覚だけが、残る。
そのとき。
ガチャ、とドアが開く。
足音が、二つ。
澪と——もう一人。
見慣れているはずの気配。
でも、今は少しだけ遠い。
静かで、温度の低い空気が部室に入ってくる。
そのまま、壁際に立つ。
おつかれー!今日もやってるね!
明るい声。
でも、紬は顔を上げない。
……ねぇ
少しだけ、間。
言葉が出てこない。
でも、止められない。
収益0円って…普通なの…?
部室の空気が、止まる。
澪の表情が、少しだけ固まる。
すぐには、答えない。
——答えられない。
その沈黙が、すべてを物語っていた。
紬は、画面を見る。
0円。
もう一度、確認するみたいに。
でも、変わらない。
(……やっぱり)
背中に、視線を感じる。
振り向かなくても、わかる。
昔から知っている、その空気。
でも今は、少しだけ距離がある。
紬は一瞬だけ視線を逸らした。
いつもなら、もう少し気が楽なはずなのに。
そのとき、低い声が落ちる。
琥珀 普通かどうかは…関係ない
静かな声。
でも、逃げ場がない。
琥珀は、画面を一度だけ見る。
0円。
確認するだけで、視線を戻す。
琥珀 結果が出てない…それだけ
言葉が、落ちる。
シンプルすぎて、逃げられない。
紬の中で、何かが崩れる。
(……結果…出てない)
頭の中で、繰り返される。
頑張ってきた時間。
書いた記事。
全部。
——結果には、なっていない。
視界が、少しだけ揺れる。
でも、涙は出ない。
ただ、沈む。
キーボードに置いた手が、動かない。
——書けない。
初めてだった。
「やらなきゃ」じゃ、動けない。
その感覚。
部室の外では、誰かの笑い声。
いつもと同じ放課後。
でも——。
ここだけ、止まっていた。
紬は、もう一度画面を見る。
0円。
変わらない数字。
それはもう、“ただの数字”じゃなかった。
——現実だった。
逃げられない、現実。
(……もう…)
その続きは、言葉にならない。
でも——。
確実に、“限界”に近づいていた。

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