「ブログって何?」——その一言で、すべてが止まった。
やると決めたのに、何をすればいいのか分からない。
ゼロからの理解が、静かに始まる。
第二話 「ブログって何もわかんないんだけど…」ゼロ知識で止まる初日の壁
「え、ちょっと待って」
夕方。オレンジ色の光が部屋を染めていた。
ノートパソコンの画面だけが、やけに明るい。
その前で、紬は完全に止まっていた。
紬
ブログって……なに?
その一言は、軽いのに重かった。
空気が、止まる。
澪は一瞬、言葉を失った。
やると決めた。半年で結果を出すって。
なのに——スタート地点が見えていない。
澪
え、そこから!?
思わず出た声を、すぐに飲み込む。
違う。これは笑うところじゃない。
紬は本気だ。
本気で、分からない。
紬
日記?ホームページ?はにゃ?
言葉だけが浮いている。
意味が、つながらない。
澪はゆっくりと椅子に座り直した。
画面には、「ブログ 副業 始め方」と検索されたままのページ。
記事が並んでいる。
でも——全部、遠い。
“WordPress”
“サーバー”
“ドメイン”
知らない単語が、壁みたいに立っている。
読む前に、疲れる。
その感覚に、澪は気づいた。
——これ、やめるやつだ。
始める前に、終わるやつ。
澪
…やってみよう、って言ったのにね
小さくこぼれた言葉。
紬は首をかしげる。
逃げてはいない。
ただ、止まっている。
分からないから。
澪は一度、目を閉じた。
全部説明しようとするから、言葉が出てこない。
だったら——一つだけ。
動ける分だけ、伝えればいい。
澪
ね、紬
一拍、間が空く。
言葉を探す時間。
澪
ブログってさ…「困ってる人に答える場所」かも
紬の目が、少し動いた。
理解しようとしている目。
澪
例えばさ、「ブログって何?」って検索する人
紬が小さく頷く。
まさに今の自分だ。
澪
その人に「こうだよ」って書くのがブログ…かな
“かな”がつく。
でも、それでいい。
完璧じゃなくていい。
紬は少しだけ考えた。
そして、ぽつりと。
紬
じゃあ…紬みたいな人のために書くの?
その言葉に、澪は少し驚く。
でもすぐに、笑った。
それだ、と思った。
誰に向けて書くのか。
それすら、決まっていなかった。
澪
うん。たぶん、それ
小さな理解が、落ちた。
“ブログって何?”
まだ曖昧だ。
でも——形は見えた。
紬は画面を見る。
さっきまで意味のなかった記事たち。
でも今は違う。
誰かが、誰かに向けて書いたもの。
そう思えた。
空気が少し軽くなる。
完全なゼロじゃなくなった。
ほんの入り口。
澪はキーボードに手を置く。
カーソルが、静かに点滅している。
「次は?」と聞くみたいに。
澪は小さく息を吐いた。
そして——
まだ、打たない。
理解が、もう少し必要だった。
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「半年で稼げなきゃ終わり」って言われた日——お金ゼロからのブログ|第一話「え、お金ないの?——はじまりは“半年ルール”」


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