「半年で稼げなきゃ終わり」って言われた日——お金ゼロからのブログ 第五話「レビュー書けば売れるでしょ?」って思った日——1ヶ月やっても0円だった理由

和酒5人衆ストーリー
「レビュー書けば売れるでしょ?」——放課後の一言から始まった第5話。
1ヶ月続けても収益0円。焦った紬は“売れる記事”に手を出す。
でも、書いたレビューは何も起きなかった——その違和感だけが残る。
第五話「レビュー書けば売れるでしょ?」って思った放課後——1ヶ月やっても0円のまま
「レビュー書けば…売れるでしょ?」
放課後の部室。窓から差し込むオレンジ色の光が、机の上をゆっくり伸びていく。
カタカタと、誰かのキーボードの音。
でも、その音はどこか軽い。
——まだ、“確信”がない音だった。
はにゃ…だって、紹介してる人…みんな稼いでるっぽいし…
ノートパソコンの画面には、「ブログ レビュー 書き方」とだけ打ち込まれている。
検索結果には、「これで月◯万円」みたいな文字が並んでいた。
そのどれもが、遠く感じる。
でも——。
“やればいけそう”な気もした。
いいじゃん!レビュー!やってみよう!
迷いは、一瞬で押し流された。
澪の言葉は、いつもそうだ。
考える前に、進ませる。
——それが、少しだけ怖くて。
でも、少しだけ安心する。
じゃあ…おすすめのやつ、書いてみる…!
紬は、少し背筋を伸ばす。
部室の机に、肘をついて。
画面の白いページを、じっと見る。
——何を書けばいいんだろう。
でも、すぐに思いつく。
「おすすめです」「便利です」「買うべきです」
——それっぽい言葉。
キーボードを打つ音が、少しずつ速くなる。
横から、澪が覗き込む。
おお!いい感じじゃん!それっぽい!
“それっぽい”
その言葉が、やけにしっくりくる。
でも同時に——。
少しだけ、引っかかる。
(それっぽい…って、何だろう)
指が、ほんの一瞬止まる。
でも、その違和感はすぐに流した。
——今は、とにかく書くしかない。
数十分後。
記事は、完成した。
タイトルも、それっぽい。
内容も、それっぽい。
——たぶん、大丈夫。
投稿…してみるね…
クリック。
公開されたページが、静かに表示される。
部室の空気が、少しだけ止まった気がした。
でも——。
何も起きない。
その日は、そのまま終わった。
翌日。
同じ部室。同じ席。
紬は、少しだけ緊張しながら画面を開く。
——数字を確認するために。
表示されたのは。
アクセス、ほぼゼロ。
クリック、なし。
収益——0円。
一瞬、思考が止まる。
そして、ゆっくり理解する。
——何も変わっていない。
はにゃ…?なんで…?
声は、小さかった。
でも、その中に混ざっていたのは——焦り。
「売れると思ったのに」
その気持ちが、じわっと広がる。
あれ?でもちゃんと書いたよね?
うん、と頷く。
ちゃんと書いた。
ちゃんと“良いこと”を書いた。
でも——。
(じゃあ、なんで…?)
画面の数字を、もう一度見る。
変わらない。
何も起きていない。
部室の中に、少しだけ重い空気が流れる。
外から、部活の声が聞こえる。
笑い声。走る音。
——こことは、少し違う世界。
紬は、画面から目を離せなかった。
「レビューを書けば売れる」
その言葉だけが、頭の中で浮かんでいる。
でも。
現実は、動いていない。
——何かがズレている。
でも、その正体はまだわからない。
わからないまま、時間だけが過ぎていく。
紬の指が、そっとキーボードに触れる。
次、どうするか。
答えはまだない。
でも——。
止まるのは、少し怖かった。
だから。
もう一度、画面を見る。
白い余白が、また広がっている。
——その先に、何を書くのか。
まだ、わからないまま。

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